第9章 その他

<<回教徒について知ろう>>

 

<回教徒の習慣>

回教徒が必ず行っている習慣がいくつかある。

 

  • 男の子の割令

衛生的によいことだという意味で回教徒の男の子は10歳位までには必ずする。 大きくなってすると術後の経過が悪いそうである。最近は出産を病院やクリニックでするので普通に生まれた赤ちゃんにはそこですることもあるという。

  • アキカという行事

アキカは我が子が丈夫に育つようにと願う行事でアッラーに生け贄をささげるのである。男の子は山羊を2匹、女の子なら1匹を犠牲にする決まりがある。その肉で大御馳走を振る舞う家庭もあるし、肉をそのまま配るだけの家庭もある。アキカをする時期もまちまち。待望の末に授かった男の子のアキカは当然早めに盛大にやっている。

  • トイレの方角

南北に設置している。

  • ベットの方角

足を西に向けないように設置している。

理由は西は聖地・メッカの方角にあたるから。

  • 右手左手の使い分け

右手・左手の使い道の習慣は、昔から不浄な物を触るのは左手、食べ物や大事な物を扱うのは右手ですることになっている。しなければ失礼にあたる。右手が塞がっている時は左手でしてもいいが、その場合、右手を左手に添えてする事。子供までよく仕付けられている。今でもバングラデシュは排便排尿後、トイレットペーペーがあってもその後で水で、それも左手で洗う習慣になっている。お金の支払いも左手でしたら相手が気を悪くする筈なので気をつけるように。

 

<回教徒の教え>

回教徒の教えは次の6信5行から成り立っている。

 

* 6つの信仰

  1. 神が唯一絶対の存在である事を信じる事。

  2. 神の天使たちを信じる事。

  3. 神よりの諸経典を信じる事、特にコラーンはその完全最後のものである。

  4. 神よりの予言者達を信じる事、特にムハムマドは最後の使者である。

  5. 審判の日、そして死後の世界のある事を信じる事。

  6. 人には定められた運命のある事を信じる事。

 

* 5つの行い

  1. 信仰の告白 - アッラーの他に神はなくムハムマドはアッラーの使者と唱える。

  2. 1日5回の礼拝

  3. 断食

  4. 喜捨

  5. 巡礼と生贄

 

<回教徒の主なお祭り行事>

断食明けのお祭り(イードル・フィトル)と生贄を捧げるお祭り(イードル・アズハー)が回教徒の大きな行事。日常はお祈りもしない不熱心な信者も経済的に可能ならこの行事はしている。強制ではない。

 

断食明けのイードは、1ヵ月間の断食を完全に果たした事をよろこびあうお祭りで、断食をしなかった人も、この日は日本の正月のように、皆新調した衣服を着て、友人宅や親戚を訪問しあい、ご馳走しあう。男性同志は、その日だけは、お金持ちも貧しい人も区別なしに抱き合って祝いの挨拶をかわす。年賀状のようにカードの交換もする。年長者にご挨拶をしてお年玉のようにお金を貰う習慣もある。もともと回教徒のその断食というのは、経済的に貧しくて食べられない人の苦しみを自ら体験して、その辛さを知る事が目的。年に一度1ヵ月間(月暦で数えるので毎年ずれる)日の出から日没までの12時間ぐらい断食をする。断食は飲食だけでなくさまざまな欲望、タバコもセックスも断つ。生贄を捧げる日のイードには歴史がある。

昔イブラヒムという宗教の指導者がアッラーに“私を本当に尊敬しているならばあなたが一番愛しているものを私に犠牲してみせなさい。”そう言われたイブラヒムは最愛の息子を生贄として捧げるために山奥へ連れていった。そして息子を目隠して横に倒し捧げようとした。でもその瞬間、羊が息子と入れ替わり結果は羊が犠牲になった。神はイブラヒムの信心をみて羊と息子を交換なさったのだ。それからこの行事が始まった。毎年一回4足の動物、例えばラクダ、羊、山羊、牛等を生贄として神に捧げる。ただしこの行事は経済力のある人がすればいいのであって、平常肉を食べられない貧しい人たちに分け与える精神の実行なのである。宗教的手順で殺された動物はすぐその場で皮が剥がされる。バングラデシュでは毛皮が輸出品目になっているのでこれらの皮は貴重なもの、丁寧に剥がされる。それから肉を切り分ける。肉屋らしき者と家の者が一緒になって肉を骨もいっしょに同じサイズにブツ切りにしそして全部ミックスする。宗教的にはミックスされた総量の1/3を乞食等貧しい人に、1/3を親戚友人に、残り1/3を自分達で食するという分配ルールがある。

                                        

(寄稿:フセイン神部営子様)

 

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