第1章 生活のスタ-ト・各種手続き

第1部 生活一般

<<バングラデシュでの生活のスタート>>

  高温多湿の気候、人口密度の高さや秩序なく走る車のラッシュのすごさなど、ここで新しく生活をスタートする方の中には日本での生活との違いに戸惑われる方も多いだろう。私達を物珍しげに見つめる人々に、つい一歩下がってしまいがちだが、バングラデシュの人達はただ好奇心旺盛で、悪気はない。日本に留学したり研修に行った人も多く、一般には多くの人が日本人には好意的なイメージを持っている。海外のどこで暮らすにしても、その国の社会環境、伝統文化、生活習慣を理解した上で行動できるかどうかで、自分自身の生活が大きく変わってくる。日本との考え方の違いを理解した上で、バングラデシュの人々と良い関係を築くことができれば、生活をエンジョイすることができる。
 

バングラデシュでの生活で一番大きく日本と異なる点は、イスラム国家であること。イスラム教徒は豚肉やお酒を口にしないことは日本でも良く知られているが、ここで暮らしてみて初めて、日曜日ではなく金曜日が休日であり、イスラム教徒にとってはモスクに行く宗教的に重要な日であることが実感できる。断食月には職場の同僚や使用人で断食する人が多いし、公共施設の営業時間帯も変わる。生活全般が宗教観に根ざしているので、相手の宗教を尊重する態度は大切である。女性がむやみに肌を露出しないなどの配慮も必要。

 

もっとも中東諸国と比べるとイスラム教の戒律もさほど厳格でなく、古くからのべンガル文化に根ざした考え方や風習が多く残っていて、「ベンガル」としてのアイデンティティーとなっている。仏教徒やキリスト教徒、ヒンズー教徒、チャクマやガロなどの少数民族もおり、「バングラデシュ=イスラム教・ベンガル人国家」と言う一面的な捉え方だけでなく、状況に応じた幅広い理解が必要だろう。

 

 「貧困」、「自然災害」という言葉で語られることの多かったバングラデシュは、近年、特に都市部の人々の生活がめざましく変化している。例えば、今までバリ(屋敷地)の外に出ることのなかった女性たちも、都市部の縫製工場を中心とした職場への進出はめざましく、輸出業の一翼を担っている。中間層の高等教育を受けた女性達も、銀行やNGOなど積極的に仕事に就くようになった。中間層の人達が最近できた大型スーパーマーケットで買い物をしている姿は他の国と変わらない。しかしスーパーマーケットを出ると、その前で物乞いをしている人がいるというのもバングラデシュの現実である。

 

喧噪のダッカを離れると、世界遺産であるシュンドルボンに代表される豊かな自然があり、都市とは違う農村の暮らしがある。「黄金のベンガル」と言われたこの国の自然の美しさと人々の情緒豊かな精神性に触れ、多様な宗教に彩られた歴史に思いを馳せることも、バングラデシュの楽しみ方の一つである。地方への旅もお勧めしたい。

 

  高温多湿の気候、人口密度の高さや秩序なく走る車のラッシュのすごさなど、ここで新しく生活をスタートする方の中には日本での生活との違いに戸惑われる方も多いだろう。私達を物珍しげに見つめる人々に、つい一歩下がってしまいがちだが、バングラデシュの人達はただ好奇心旺盛で、悪気はない。日本に留学したり研修に行った人も多く、一般には多くの人が日本人には好意的なイメージを持っている。海外のどこで暮らすにしても、その国の社会環境、伝統文化、生活習慣を理解した上で行動できるかどうかで、自分自身の生活が大きく変わってくる。日本との考え方の違いを理解した上で、バングラデシュの人々と良い関係を築くことができれば、生活をエンジョイすることができる。

 

バングラデシュでの生活で一番大きく日本と異なる点は、イスラム国家であること。イスラム教徒は豚肉やお酒を口にしないことは日本でも良く知られているが、ここで暮らしてみて初めて、日曜日ではなく金曜日が休日であり、イスラム教徒にとってはモスクに行く宗教的に重要な日であることが実感できる。断食月には職場の同僚や使用人で断食する人が多いし、公共施設の営業時間帯も変わる。生活全般が宗教観に根ざしているので、相手の宗教を尊重する態度は大切である。女性がむやみに肌を露出しないなどの配慮も必要。

 

もっとも中東諸国と比べるとイスラム教の戒律もさほど厳格でなく、古くからのべンガル文化に根ざした考え方や風習が多く残っていて、「ベンガル」としてのアイデンティティーとなっている。仏教徒やキリスト教徒、ヒンズー教徒、チャクマやガロなどの少数民族もおり、「バングラデシュ=イスラム教・ベンガル人国家」と言う一面的な捉え方だけでなく、状況に応じた幅広い理解が必要だろう。

 

 「貧困」、「自然災害」という言葉で語られることの多かったバングラデシュは、近年、特に都市部の人々の生活がめざましく変化している。例えば、今までバリ(屋敷地)の外に出ることのなかった女性たちも、都市部の縫製工場を中心とした職場への進出はめざましく、輸出業の一翼を担っている。中間層の高等教育を受けた女性達も、銀行やNGOなど積極的に仕事に就くようになった。中間層の人達が最近できた大型スーパーマーケットで買い物をしている姿は他の国と変わらない。しかしスーパーマーケットを出ると、その前で物乞いをしている人がいるというのもバングラデシュの現実である。

 

喧噪のダッカを離れると、世界遺産であるシュンドルボンに代表される豊かな自然があり、都市とは違う農村の暮らしがある。「黄金のベンガル」と言われたこの国の自然の美しさと人々の情緒豊かな精神性に触れ、多様な宗教に彩られた歴史に思いを馳せることも、バングラデシュの楽しみ方の一つである。地方への旅もお勧めしたい。

カウンター

Access Since April 2012

※パスワードは会員メールの末尾に掲載

Loading

Dhaka