2014-2015実績

第3回イベント

ネパールのいまを知ろう~ネパール大地震緊急支援報告会~


報告者:  藤崎文子さん

(シャプラニール緊急支援、カトマンズ盆地中心に物資供与)

              神田貴絵さん

(AMDAの緊急医療支援ミッションに参加し、シンドゥパルチョーク郡で活動)

              太田智之さん

(JICA緊急援助隊及び自衛隊の後方支援)


日時: 5月30日(土) 14時から

場所: 日本人学校講堂 


5月30日、3名の報告者を迎え、「ネパールのいまを知ろう~ネパール大地震緊急支援報告会~」が行われました。当日は日本人会会員42名(男性20名、女性23名)にご参加いただきました。


報告会では先日のネパール大地震に関する緊急支援について、地震発生直後から現地へ入り、それぞれの団体で支援活動をされてきた報告者の皆さんから、スライドの写真と共に現場の様子を詳しく伺うことが出来ました。


具体的には、ネパールの被害や人々の現状の報告と共に、緊急時にはまずどのような内容の物資が、どのような方法で分配され、被害者の下へ届けられるのか(配給チケットを使うなどの手法が紹介されました)、また後方支援としての物流管理の動きなどについてのお話がありました。


その他、設備や薬も限られた野外で、余震で残った建物も次々と崩壊する中、どのように当座の治療を施したかなど、緊急時の治療現場の生のお話があり、足場の悪い山の上から病人を担いで下ろしてくる困難さや、そのような状況でも出産があったこと、ショック状態の老人や子供達の心のケアの必要性などについても知ることができました。


水や電気、ガスといったインフラがもともと完全には整備されていない環境で、瓦礫の中から使えるものを探し出し、手元にあるものでとりあえずの生活を立て直す現地の人々の逞しさや、生きる意欲と能力(レジリアンス、回復力)についても伺うことができました。


質疑応答の時間にもたくさんの質問があり、参加者一同今回の地震についての理解が深まりました。水やトイレの用意、枕元に履物を置いておくなど、災害時のために自分自身も普段から準備しておくべきことなどのお話もあり、地震についてさらに身近に感じることができたのではないでしょうか。


参加された方の感想を一部ご紹介させて頂きます。


「とても早い段階でこういう会を開いて頂きありがとうございました」


「お話を聞けてほんとによかったです!自分に何が出来るか、今後自分がどのように過ごせばいいのか、現地の状況などどうなのかなど色々聞け、今後は自分なりに考え行動していきたいです!」


「防災に対する意識向上も含めて、大変有意義でした。今後もこのような勉強会を期待しています」


「物資の支援の中で、物資だけでなく、その人が本当に必要なものが購入できるフードスタンプというものはとても良い活用だと思いました。ニュースでは見られない、聞かれない内容を知る事ができ、現状被害を知る事ができ、とても良かった。また引き続き、その後のネパールの状況についての報告会を希望します」


「講演が大変よかった(多くの人に聞いてほしい)。子供がいる方も来たい人がたくさんいたように感じる(たとえばボランティアを募り、2時間DVDを見て預かる託児所のようなことができればいいように思った)」


第2回社会活動イベント

国境なき子どもたち(KnK)」ドロップインセンター見学交流会

 

旅の案内人:

渡辺美帆さん(国境なき子どもたち)

渡辺大樹さん(NGO-JICAジャパンデスク)

 

日時:2014年12月6日(土)9:00~3:00

場所:オールドダッカ、ショドルガット

参加者:22名(大人14名、子供8名)

 

今回は「国境なき子どもたち」の渡辺美帆さんと、現在NGO-JICAジャパンデスクを担当されているエクマットラの渡辺大樹さんのご協力を得て、ストリートチルドレンのドロップインセンター見学交流会を実施することができました。

 

第1回イベントのシャプラニール藤崎文子さんの講演会では、「なぜストリートチルドレンが生まれるのか?」について、また彼らの生活の状況など詳しいことをうかがいました。そこで学んだことをふまえ、「では実際に子どもたちはどのような生活をしているのか?」「どんなことを感じたり考えたりしているのか?」「ダッカに住む外国人として、もう少しリアルに何かを感じとれる機会を設けられないだろうか?」ということで、今回このような社会見学の企画をいたしました。

 

見学の内容については、「国境なき子どもたち」の渡辺美帆さんと相談の上、「外国人が見学に来ていろいろ見て帰っていった」という印象にとどまらず、「センターの子どもたちにも楽しんでもらえるようにしたい」と考え、前半はセンター職員の方からの説明と2人の子供たちへのインタビュー、後半は交流会として、ジェスチャーゲーム、ピンポンリレー、歌の交換を行いました。

 

当日は朝9時に日本人学校をバスで出発し、一路オールドダッカ、ショドルガットへ。車内では渡辺大樹さんから通り過ぎる地域の説明を受けつつ、センターについての詳しい説明を聞き、続いて全員で交流会で歌う「ありのままで」の練習をしました。

 

ショドルガットへ着き、渡し舟で向こう岸へ渡ります。岸では客をとるために小舟が押し合いしています。大樹さんにさばいていただき、揺れる足元に気をつけながら3つに分かれて乗り込みました。日差しが強く空がまぶしい中、広い水の上を小舟で渡る感覚は気持ちよく、参加者のみなさんにも軽い興奮と笑顔が見られました。

 

向こう岸で美帆さんと合流し、茶屋や小さな店舗、露天の床屋などを眺めながら、川沿いの道をセンターまで歩きました。センターは高い建物の中にあり、入っていくと元気そうな子供たちが40人ほど詰めかけていました。内部は清潔に整えられ、生活に関するポスターや活動の写真など、たくさんの掲示物や飾りでとても明るく見えました。

まず別室へ入り、センターの責任者や美帆さんから、注意事項やセンターの成り立ちなどをうかがいました。次に2人の少年から、センターでの生活やここへ来るまでの経緯、センターの外でどのような仕事をしているのか、1日の稼ぎ、家族との交流、これからの希望などについて話を聞きました。

 

後半の交流会では、まずは場を温めるためのジェスチャーゲーム。誰でもわかりやすいような簡単なお題をジェスチャーで表し、全員で一斉に答えを探します。ジェスチャー役の子たちは少々照れくさいながらも工夫して身振り手振りをし、残りの子どもたちは「ハイ!ハイ!」と元気に手を挙げて会場が盛り上がりました。

 

続いてのピンポンリレーは、日バミックスで2チームに分かれ、スプーンにピンポン玉を乗せて、落さないように壁まで行って戻ってくるというレース。ゆっくり慎重に歩く子、すごい速さで動く子と、それぞれのペースでお互いの番を見守り、こちらも楽しく終えることができました。

 

最後に日本側からは「ありのままで」、バングラデシュ側からは国歌である「ショナルバングラ」を贈りあい、交流会を終えました。

 

今回はセンターの昼食時間に合わせてスケジュールを組んだため、日本人にとっては遅い昼食時間となってしまいました。子供たちの参加も多かったため、急いでバスへ戻り車内で軽食を口にした後、日本人学校へ向けて車を走らせました。時間に余裕があれば簡単にオールドダッカを回る予定でしたが、時間がおしていたのと、子供たちが少々疲れている様子でしたので、車内で大樹さんにオールドダッカ周辺についていろいろ説明していただきながら帰路へつきました。

 

数年間ダッカに住んでいても、オールドダッカ方面へ来るのは初めてという方も多く、またストリートチルドレンと直接交流することもなかなかありませんので、参加者の皆さんにとって、非常に新鮮で印象に残る見学会となったようです。

 

関係者、参加者、実行委員の皆様ご協力ありがとうございました。おかげさまで特に大事やケガもなく(舟ではニアミスがありましたが!)終えることができました。今後もできるだけ楽しく有意義な企画をしていきたいと思います。

 

最後に今回参加された方々のコメントをご紹介します。

 

・自らの人生を、小さな身体と働くことで、自ら切り開く子供たちの姿から多くを感じ、学びました。

 

・道すがら大樹さんから街の案内が聞けたこともダッカに親しみを増す要素となった(0ポイント、ピンクパレス、ヒンドゥプジャのお話等々)

 

・施設の子供が自らの言葉でダッカに来ることになった話を聞けて良かった。と同時に話すことで無理をさせていないかについて心配にもなったが彼らは明るく逞しく輝いて見えた。

 

・メダルの名札はみな誇らしげにつけていて折り紙ながらよかったと思う。

 

・船に現地料金で乗るという経験もエキサイティングだった。しかしながら船頭部分突起が頭にぶつかりそうなどアクシデントもあったため要注意。

 

・個人的な反省はもっと事前に勉強しておくべきだった、ということです。最初に頂いたサイトのほかに、帰ってからKnKさんのサイトを見つけ、前もって見ておくんだったな、と思いました。

 

・社会活動イベントへの参加という形以外でなにができるのか、いったいなぜ子供たちはああも簡単に(日本人からすると)家を出るのか、どうしてDrop in centreでの子供たちは楽しそうなのか、お父さんお母さんのそばにいたいと思わないのか、学校教育とはなんなのか、(どうして日本人のお父さんは参加しなかったか、、)、などなど、今も考えさせられています。

 

・今まで全く理解が足らず、ストリートチルドレンと自分の間に壁を感じていましたが、彼らの笑顔に触れ、握手を交わし、とても身近な存在になりました。

 

・ゲームをいくつかやる場合、相互理解を深めるという意味で、一つは日本のゲーム、もう一つはバングラデシュのゲームとお互いの自国のゲームを紹介しつつ、楽しむのも良いかもしれません。

 

・見学会は子供たちの明るく元気に子供らしくDICで過ごしている様子に触れ、人懐っこく私たちと関わろうとしてくれて嬉しかったです。同時に、子供たちのお話や美帆さん、大樹さんからのお話から子供たちが置かれている生活環境やストリートにでてきた背景などを知り、複雑な社会環境が何層にも絡み合ってストリートチルドレンが生まれているということに問題の深さを感じました。見学の日以来、街でストリートチルドレンらしい働く子供たちを見るときにもっと想像力が働き温かい眼で見れるようになった気がするのが私の中で大きな収穫でした。本当にありがとうございます。

第1回社会活動イベント

講演会「ストリートチルドレンと共に歩んだ10年間」

 

講師:藤﨑文子さん(シャプラニール ダッカ事務所長)

日時:10月18日(土)15時から17時まで

場所:日本人学校講堂

 

10月18日、シャプラニール=市民による海外協力の会事務所長の藤崎文子さんをお招きし、講演会「ストリートチルドレンと共に歩んだ10年間」を開催いたしました。当日は日本人会会員41名(男性13名、女性28名、うち子供12名)の方にご参加いただきました。

 

講演では、シャプラニールの活動の歴史とミッションについてのご紹介からはじまり、続けて14年前から始まったストリートチルドレンとの関わりについて、興味深いお話が展開されました。

 

「子供たちが路上に出た理由」という、聴き取りによるデータからスタートし、ストリートチルドレンを取り巻く様々な状況、ドロップインセンターの運営と地域住民への協力の呼びかけなど、支援の具体的な取り組みについて、とてもわかりやすくお話いただきました。

 

後半は「センターを巣立った子どもたちの今」というテーマで、子供たちの現在と過去を対比させた写真と生活状況の紹介があり、合わせて子どもたちの歌声から始まるドキュメンタリーフィルム(約30分)の上映がありました。

 

最後に「これまでの活動の成果」として、「のべ6千人以上の子どもたちが活動に参加」したこと、「子供たちの態度や行動の大きな変化」「卒業生が子どもたちを支える側に成長」「多くの子どもが教育を受け、技術を身に付けた結果、自立した生活を営むように」「外部資金に頼らず、地域の資源によってプロジェクトを継続する取り組みが定着」という大きな成果があったことをご紹介いただきました。

 

何よりも子どもたちにとって、「無条件に存在を認めてくれる人との出会い」「安心して過ごすことのできる場所」「いつでも帰ることのできる場所」として存在するセンターやスタッフを、バングラデシュの社会に定着させた今までのシャプラニールの取り組みには、非常に大きな意味を感じました。

 

質疑応答の際にもたくさんの手が上がり、藤崎さんが丁寧に補足説明をしてくださいました。大人はもう少し話を聞きたい部分もありましたが、時間が超過し、特に子供向けの話ではなかったので、小中学生の皆さんには難しい部分があったかもしれません。それでも、映像や個々のエピソードなどから、何か少しでも心に残っていればと思います。

 

参加された方の感想を一部ご紹介させて頂きます。

「とても興味深いお話を伺うことができました。ありがとうございます」

「10年間という長い時間の経過を知ることができ大変良かった」

「子ども達のその後の様子を見る事ができたのがとても良かったです」

「とても勉強になりました。シャプラさんは様々な活動を国内外で行っているので、またこういった講演会をしてほしいです」

「10年間の子供達の成長がとても印象的でした。援助が終了したとのことで、食事の質が落ちたりスタッフの数が減っていると話していた映像が心に残りました。難しい問題ですね」

 

この他にも多くのご感想を頂戴しました。

ありがとうございました。

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